図のような3拠点が接続されたネットワークで、拠点間のサーバ(ネットワークセグメント)移転を考えます。(詳細な構成図)
各拠点は OSPF で経路交換をしているため、ネットワーク移転に伴うネットワークの経路制御設定を変更する必要があります。デモシナリオとしては、OSPF の経路再配布の設定ミスがあり、移転後のサーバで通信トラブルが起きるケースを考えます。
こうしたトラブルは、従来の検証環境(ハードウェアベース)では特定の拠点のみを縮小・限定して再現せざるを得ず、検証に含められない箇所やテストパターンが残ってしまうものでした。本デモでは、コンテナベースに環境全体を再現し、「ネットワーク全体の動き」の問題を検証することができるかどうか、それがどれくらいのコスト(リソース)で可能になるかを見ていきます。
以下の用語を設定します。
- 作業フェーズ(現状・修正後)を表す
- As-is : 現状の構成
- To-be : 問題を見つけて修正した後の構成
- 環境を表す
- Original : 本番環境 (ハードウェアベースの既存のネットワーク)
- Emulated : 検証環境 (コンテナベースの検証用ネットワーク)
As-is/To-be * Original/Emulated で4つの象限があります。作業ステップとして、①~④の順に進めていきます。
実際に使用するツールや機能を含めると以下のようになります。デモ中で実際に使用しているツールは太字のものです。
- ネットワークのトポロジを把握するためのツール
- 物理トポロジ管理: Netbox
- NW機器コンフィグパーサ/シミュレータ: Batfish
- ネットワークノード操作
- 自動化: Ansible
- 軽量なネットワークノード
- CNF (Cloud-native Network Function), コンテナルーティングエンジン
- OSS: VyOS, FRR, …
- 製品: Juniper cRPD, Arista cEOS, Nokia SR Linux, Cisco XRd …
- ソフトウェアL2スイッチ
- OSS: Open vSwitch
- NW検証用コンテナオーケストレータ
- Containerlab
- CNF (Cloud-native Network Function), コンテナルーティングエンジン