我、生きずして死すこと無し。
理想の器、満つらざるとも屈せず。
これ、後悔とともに死すこと無し…
どうして、みんなは、何かにあんなに夢中になれるんだろう。わたしは毎日毎日、ただ、勉強をしているだけ。たしかに、勉強は、つまらなくはないけれど。勉強は将来のために大事だと思うし、先生は褒めてくれるし、学年で一位になれば羨まれたりもするけれど、でも、それじゃあ…
何かが、嫌なんだ。
嗚呼、斑鳩が行く・・・・・・
望まれることなく、浮き世から
捨てられし彼等を動かすもの。
それは、生きる意志を持つ者の
意地に他ならない。
「どうして、みんなは何かに夢中になれるんだろう」
ゆいは、白と黒が飛び交う、不思議なゲームと出会った。
自らの意志が、強固であるほど
様々な試練に苛まれるものだ。
無論、試練を目前に避ける事も
出来れば、逃げる事も出来る。
だが、試練の真意は、そんな己
の心を克服することにある。
ゆいはつばめに手ほどきを受け、新米飛鉄塊乗りとなる。
浮き世に絶対などというものは
無く、理不尽な思いを胸にして
途方にくれる時もある。
それを乗り越える為には、確固
たる信念と洞察、そして幾分か
の行動力を持つ必要がある。
どうしても超えられない壁にぶつかるゆい。学校から帰る1プレイの度に、こんなはずじゃないのにと思いながら、ゲームオーバー画面を眺める毎日。
…どうしてわたしは、「ただのゲーム」で、こんなに悩んでるんだろう?
そして、現実はその姿を現す。
何を求め・・・・・
何を見て・・・・・
何を聞き・・・・・
何を思い・・・・・
何をしたのか・・
ゆいは、己が何を求めているのか、すこしだけ分かった気がした。
ゲーム機の筐体の前で、目を瞑るゆい。
不動明王の剣から光に包まれた音を確認し、ゆいは目を開く。
斑鳩は再び、空を舞う。
やがて一つの因果は、その意志
を元の場所へと回帰させ、記憶
の深淵に刻まれた起源の意識を
思い起こさせるだろう。故に、斑鳩は行く・・・・・・
すべてが完璧に、とは行かなかったけれど、成すべきことを成し遂げたゆい。
彼女は再び、なぜこの仮想の世界で戦うのか自問する。しかし、戦いはまだ、終わってはいないと思った。
そして、ゆいの出した答えは―