U-Net の特徴量を可視化するための stable-diffusion-webui の拡張です。
- モデルの途中出力の可視化:U-Net の各ブロックおよびアテンション層の特徴量を可視化する。
- 層別プロンプト:U-Net の各ブロックでプロンプトを変更しながら画像を生成する。
- 2.でプロンプトを変更したときの U-Net の特徴量の差分を可視化する。
例として以下の画像を使用する。
Model: waifu-diffusion-v1-3-float16 (84692140)
Prompt: a cute girl, pink hair
Sampling steps: 20
Sampling Method: DPM++ 2M Karras
Size: 512x512
CFG Scale: 7
Seed: 1719471015
たとえば以下のような画像を生成する。
グレースケール出力 OUT11, steps 20, Black/White, Sigmoid(1,0)
カラー出力 OUT11, steps 20, Custom, Sigmoid(1,0), H=(2+v)/3, S=1.0, V=0.5
- Extract U-Net features
- チェックすると U-Net の特徴量抽出が有効になる。
- Layers
- 抽出対象のブロックを指定する。コンマ区切り、ハイフン区切りが使える。
IN11-M00-OUT00
は繋がっている。 - Image saving steps
- 抽出対象のステップを指定する。
- Colorization
- 出力画像の色を指定する。
- Dump Setting
- 特徴量のバイナリを出力する設定を行う。
- Selected Layer Info
Layers
で指定したブロックの詳細が出力される。
抽出するブロックの指定方法:
単体指定: IN00
IN00 から IN11、M00、OUT00 から OUT11 が使える。
複数指定: IN00, IN01, M00
コンマ `,` で区切って複数のブロックを指定できる。
範囲指定: IN00-OUT11
ハイフン `-` で区切って範囲を指定できる。
両端は範囲に含まれる。
IN11, M00, OUT00 は繋がっている。
範囲指定(ステップ付き): IN00-OUT11(+2)
範囲指定の後に `(+数字)` と書くとステップを表す。
+1 と書くと通常の範囲指定と同じ。
+2 と書くと一つ飛ばしで指定したことになる。
例えば上記の例は
IN00, IN02, IN04, IN06, IN08, IN10,
M00,
OUT01, OUT03, OUT05, OUT07, OUT09, OUT11
を指定したことになる。
- Colorize method
- 色付けの方法を指定する。
White/Black
は特徴量をv
として、|v|
が大きいピクセルを白、小さいピクセルを黒で表示する。
Red/Blue
はv
が大きいピクセルを赤、小さいピクセルを青で表示する。
Custom
はv
の値から RGB もしくは HSL 色空間の値を自由に計算する。 - Value transform
- 特徴量の値は必ずしもそのまま色の指定に使える大きさではない。そのときにピクセル値へ変換するときの変換方法を指定する。
Auto [0,1]
は与えられた特徴量の最小値と最大値を使って値を[0,1]
に線型変換する。
Auto [-1,1]
は同じく[-1,1]
に線型変換する。
Linear
はClamp min./max.
を指定して、その範囲をColorize method
がWhite/Black
のとき[0,1]
に、それ以外のとき[-1,1]
に線型変換する。
Sigmoid
はgain
とoffset
を指定して、v + offset
をシグモイド関数で変換する。出力はColorize method
がWhite/Black
のとき[0,1]
に、それ以外のとき[-1,1]
になる。
- Color space
Value transform
で変換した値v
をピクセル値に変換するコードを書く。v
の範囲はColorize method
およびValue transform
の指定により[0,1]
もしくは[-1,1]
で与えられる。計算結果は[0,1]
でクリップされる。
コードはnumpy
をグローバル環境として実行される。たとえば、abs(v)
はnumpy.abs(v)
の意味になる。
- Dump feature tensors to files
- チェックすると U-Net の特徴量をファイルとして書き出す。
- Output path
- バイナリを出力するディレクトリを指定する。存在しなければ作成される。
左から順に、steps=1,5,10
の画像。
ほぼ U-Net の特徴量画像 と同じ。
横軸がトークン位置を表す。最初に開始トークン、最後に終了トークンが挿入されているので、間の75枚の画像が各トークンの影響を表す。
縦軸はアテンション層のヘッド。今のモデルでは h=8
なので画像が8つ並ぶことになる。
「pink hair
はこの層に効いてるのかな?」みたいなことが分かる。
内容は以下の記事を参照。
Stable DiffusionのU-Netでブロックごとに異なるプロンプトを与えて画像生成する(ブロック別プロンプト)
Model: waifu-diffusion-v1-3-float16 (84692140)
Prompt: a (~: IN00-OUT11: cute; M00: excellent :~) girl
Sampling Method: Euler a
Size: 512x512
CFG Scale: 7
Seed: 3292581281
上の画像は順番に、
a cute girl
で生成した画像- IN00 のみ cute を excellent に変更して生成した画像
- IN05 のみ cute を excellent に変更して生成した画像
- M00 のみ cute を excellent に変更して生成した画像
となっている。
ほぼ U-Net の特徴量画像 と同じ。
- Output difference map of U-Net features between with and without Layer Prompt
- ブロックごとのプロンプトが有効の時と無効の時の U-Net の特徴量を比較して差分画像を出力する。
プロンプト中で次に示す特殊な記法を用いることで、ブロックごとのプロンプトを指定できる。
a (~: IN00-OUT11: cute ; M00: excellent :~) girl
この場合、IN00~OUT11 まで(つまり全体)で
a cute girl
が使われるが、M00 のみ
a excellent girl
が使われることになる。
指定は (~:
から :~)
までの間で行う。書式は以下の通り。
(~:
ブロック指定:プロンプト;
ブロック指定:プロンプト;
...
ブロック指定:プロンプト;
:~)
(~:
の後、:~)
の前、:
の前、;
の後は空白を入れてもいい。ただし :プロンプト;
の部分の空白はそのまま結果に反映されるので注意。一番最後のプロンプトの後のセミコロンは無くてもいい。
ブロック指定は以下のように行う。おおむね X/Y plot と同じ。なお、範囲が重なっている場合は後に指定したものが優先される。
単体指定: IN00
IN00 から IN11、M00、OUT00 から OUT11 が使える。
複数指定: IN00, IN01, M00
コンマ `,` で区切って複数のブロックを指定できる。
範囲指定: IN00-OUT11
ハイフン `-` で区切って範囲を指定できる。
両端は範囲に含まれる。
IN11, M00, OUT00 は繋がっている。
範囲指定(ステップ付き): IN00-OUT11(+2)
範囲指定の後に `(+数字)` と書くとステップを表す。
+1 と書くと通常の範囲指定と同じ。
+2 と書くと一つ飛ばしで指定したことになる。
例えば上記の例は
IN00, IN02, IN04, IN06, IN08, IN10,
M00,
OUT01, OUT03, OUT05, OUT07, OUT09, OUT11
を指定したことになる。
その他全て: _ (アンダーバー)
これは特殊な記号で、優先度は最も低い。
他のどのブロックにも当てはまらなかった場合、ここで指定したプロンプトが使われる。
いくつか例を挙げる。
1: (~: IN00: A ; IN01: B :~)
2: (~: IN00: A ; IN01: B ; IN02: C :~)
3: (~: IN00: A ; IN01: B ; IN02: C ; _ : D :~)
4: (~: IN00,IN01: A ; M00 : B :~)
5: (~: IN00-OUT11: A ; M00 : B :~)
1: IN00でAを、IN01でBを使う。他のブロックでは何も無し。
2: IN00でAを、IN01でBを、IN02でCを使う。他のブロックでは何も無し。
3: IN00でAを、IN01でBを、IN02でCを使う。他のブロックではDを使う。
4: IN00とIN01でAを、M00でBを使う。他のブロックでは何も無し。
5: IN00からOUT11まで(つまり全体)でAを使う。ただしM00ではBを使う。
検証には Dynamic Prompts との併用が便利。
たとえば1ブロックでのみプロンプトを変更した際の影響を見たい場合、Dynamic Prompts の Jinja Template を有効にして
{% for layer in [ "IN00", "IN01", "IN02", "IN03", "IN04", "IN05", "IN06", "IN07", "IN08", "IN09", "IN10", "IN11", "M00", "OUT00", "OUT01", "OUT02", "OUT03", "OUT04", "OUT05", "OUT06", "OUT07", "OUT08", "OUT09", "OUT10", "OUT11" ] %}
{% prompt %}a cute school girl, pink hair, wide shot, (~:{{layer}}:bad anatomy:~){% endprompt %}
{% endfor %}
と指定すると、各ブロックでの「bad anatomy」の効果を調べる……といったことができる。
実際の例:ブロック別プロンプトで特定の1ブロックにプロンプトを追加してみるテスト
- セルフアテンション層の可視化