VMIPSをベースにしたCubeシステムのサイクルアキュレイトシミュレータ
- 小島拓也, 池添赳治, 天野英晴, “3次元積層SiPを用いたマルチコアシステムのためのサイクルアキュレートシミュレータCubeSimの開発”, 電子情報通信学会論文誌D, Vol.J104-D,No.04,pp.228-241,Apr. 2021. DOI:10.14923/transinfj.2020PDP0046 [Open access]
Verilogシミュレーションではキャッシュのサイズやway数、メモリバンド幅など変更するのは容易ではないが、本シミュレーターはそれを可能にする。
また、必要に応じて実行した命令のダンプや、各種レポートを表示可能である。
C++で実装されているため、CADのライセンスなどは不要で、当然verilogシミュレーションよりも高速に実行できる。
- git
- gcc or clang
- make
$ git@github.com:hungalab/cube_sim.git
$ make
本リポジトリに含まれるMakefileではg++およびgccを用いる設定となっている。clang++およびclangを用いる場合はリポジトリ直下のMakefileとlibopcodes_mips/Makefileの変数を変更してください。
ビルドに成功すると実行ファイル cube_sim
ができていると思います。
Geyser用のプログラムコードをそのまま実行することが可能です。アプリケーション開発環境はCube2_TOPリポジトリ(現在内部公開のみ)を利用してください。アプリケーションの作成方法についてもこのリポジトリのマニュアルを参照してください。
VMIPSでは古い実行ファイル形式ECOFFでしたが、こちらのフローではELFにも対応しています。
下記pythonスクリプトを用いることで生成したアプリケーションhexファイルをバイナリに変換できます。
$ python3 test_vec/dump.py アプリケーションhexファイル 出力ファイル名
$ ./cube_sim [-F vmipsrcファイル] [-o オプション] プログラムバイナリ
vmipsrcファイルは各種オプションをしているするファイルです。カレントディレクトリにこのファイルが存在すれば、引数に指定する必要はありません。
vmipsrcファイル以外にも-o
オプションを用いてオプションを上書きすることができます。
例えば
$ ./cube_sim -o instdump プログラムバイナリ
とすればinstdumpオプションが有効となります。
本シミュレータはbreak命令が実行されると停止するようになっているので、main関数終了直前に__asm__("break 0x0")__;
などを挿入してアプリケーションをコンパイルしてください。
wikiページ を参照
VMIPSから備わっているオプションに関してはVMIPSのドキュメントを参照してください。
- system_mode: cpu_only|cube|bus_conn のいずれかを指定
- cpu_only: Geyser単体のシミュレーション
- cube: ルータを用いたチップ間通信
- bus_conn: バス接続&ラウンドロビン方式
- icacheway: 命令キャッシュのway数 (数値)
- icachebsize: 命令キャッシュブロックサイズ(バイト) (数値)
- icachebnum: 命令キャッシュのブロック数 (数値)
- dcacheway: データキャッシュのway数 (数値)
- dcachebsize: データキャッシュのブロック数 (数値)
- dcachebnum: データキャッシュのブロック数 (数値)
- mem_bandwidth: メモリバンド幅 (ワード数を指定する) (数値)
- bus_latency: バスアクセス権獲得後にメモリモジュールに要求が到達するまでのサイクル数 (数値)
- exmem_latency: 外部メモリにおける遅延サイクル数 (数値)
- vcbufsize: virtual channelごとのバッファサイズ (数値)
- routermsg: ルータにおけるメッセージ表示有効化 (flag)
- accelerator0: 0番目のアクセラレータ (文字列)
- accelerator1: 1番目のアクセラレータ (文字列)
- accelerator2: 2番目のアクセラレータ (文字列)
- snacc_sram_latency: オンチップSRAMのレイテンシ (数値)
- snacc_inst_dump: コアで実行した命令をダンプする (文字列: 形式 "(チップID,コアID)")
- snacc_mad_debug: コアのmadユニットでの計算を表示する (文字列: 形式 "(チップID,コアID)")
※) snacc_inst_dump, snacc_mad_debugを利用するにはGCC 4.9以上でビルドする必要があります。
シミュレーション終了後にプロファイル結果を表示する
- cacheprof: キャッシュアクセス数、ミス率など (bool)
- routerprof: 転送フリット数など (bool)
- exmemprof: 外部メモリへのアクセス数 (bool)